神村が好機を逃さず守り切った。初回、前畑の犠飛や島中の左前適時打で2点を先制。三回は4番前畑の適時打で1点を追加した。先発した青柳は低めに球を集めて完投。鹿実は四回、西の中前適時打で1点を返したが、以降は打線がつながらなかった。

12季ぶり15度目の頂点を目指した鹿実は、打線が湿って5安打1得点にとどまり、4試合連続登板した右腕渡邊の力投に応えられなかった。

四回に西の適時打で1点を返したが、以降は得点機にあと一本が出なかった。2点を追う八回は西の右前打で二走井戸田が本塁を突いたものの、好返球に阻まれタッチアウト。井戸田は「打球を見て本塁まで走るか迷ってしまった。主将として情けない」と悔しがった。

渡邊はこの日の朝、宮下監督から「いけるか」と聞かれ、「いきます」と即答し先発した。県予選決勝で先発し神村に敗れたため、「リベンジを果たしたかった」という。四回以降は2安打無失点と好投したが、浮足立った序盤に失った3点が重く響いた。

雪辱はならなかったが、今大会を通じて背番号10の渡邊が成長し選抜大会ベスト4の秀岳館（熊本）を破ったことは好材料。「負けた事実が力になる。敗戦を前向きに考えたい」と語った。